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「詩歌梁山泊」とは何か?

現在の日本には、短歌、俳句、自由詩(狭義の詩)という三つの詩型があり、共存しているといって良いでしょう。
三つの詩型はお互いに影響し あっていますが、住み分けがされているのが現状です。
そのことが日本の詩にとって幸せなのかは、はなはだ疑問です。
当企画ではシンポジウム、ホームペー ジ、印刷媒体などを媒介とし、三つの型の交友の促進を目的とします。
それぞれの詩型の特徴や相違点を考え、時には融合するなどし、これからの表現の可能性を探ります。
戦後の詩歌の時間を問いなおす試みでもあります。   


代表:森川雅美 

実行委員:藤原龍一郎、筑紫磐井、野村喜和夫、高山れおな、
       田中亜美、嵯峨直樹
山口優夢、岡野絵里子、
       渡辺めぐみ、中川宏子、
ブリングル御田


→参加の申し込みはこちらのフォームからどうぞ←

2010年10月1日金曜日

シンポジウム1部で取り上げる作品1

投稿者 森川雅美

光森裕樹『鈴を産むひばり』(港の人)より

鈴を産むひばりが逃げたとねえさんが云ふでもこれでいいよねと云ふ

風邪。君の声が遠いな。でもずつとかうだつた気もしてゐるな。風邪。

高木【かうぼく】の淡きこもれび自転車のタイヤに夏の風をつめをり

友人のひとりを一人の母親に変へて二月の雪降りやまず

   ※それはレジストリに“Melissa?”といふ
痕跡を残す行方不明の少女を捜すこゑに似てVirus.MSWord.Melissa

ひたむきさが常にまとへる可笑しさのまざまざたるにわれは黙せり

或る友が世界に選ばれ或る友が世界を選びなほしたり、今日

だから おまへも 戦争を詠め と云ふ声に吾はあやふく頷きかけて

恥づかしくなき豊かさも貧しさも持ちえず歩く大空の底

致死量に達する予感みちてなほ吸ひこむほどにあまきはるかぜ



【 】内はルビ
「それはレジストリに~」の行は、次の歌の詞書です

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